もすけブログ

愛する人を残して逝く事と
愛する人を失って生きること。

どちらの方が辛いかなんて考えない。
そんなもんどちらも辛いに決まってる。

沢山の人が爺ちゃんの見舞いに来たそうだ。

見舞いに着てくれるのは嬉しいだろうけど、だけど弱り切った自分を沢山の人に見られることを、あの厳粛だった爺ちゃんはどう思っているのだろうかな…。病院が大嫌いだった爺ちゃん。それなのに、人生の最後をその病院のベッドで迎えようとしている爺ちゃん…。

「爺ちゃんは本当はどうしたい？」

ただ呼吸を繰り返すだけの爺ちゃんに、胸中で問いかける。

答えは無かった。

だけど、爺ちゃんは幸せだ。沢山の命を繋いで、その全ての命に、生きて欲しいと願われている。婆ちゃんが爺ちゃんの手をぶっきらぼうに、だけど強く握っているのを見ていたら、胸が熱くなった。

「俺もそんな風に生きたい」

そんな叶いもしない夢を思い描く自分がえらく滑稽で、悲しかった。

帰りの電車の中でそんな文章を書きながらウトウトしていると、前の席に座っていた母親がこちらを振り返り、言った。

「爺ちゃんが死んだ」

１８時過ぎの事だった。
僕らが病院を出てから３時間も経たずに、爺ちゃんは死んだ。

（婆ちゃんは大丈夫かな）

（母さんは？）

日曜日に再び田舎へ行って来ます。