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2014年05月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年07月

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この世界で生きるってことは既に罰なのかもしれない

うちの会社の、幹部クラスの社員が、解雇された。
長いこと、売り物の弁当等を未払いで飲み食いしていた為に。

悪いことは悪いこととして、処罰されて然るべきとは思う。
だのに、それ以上に僕は、彼がいないことにより、胸の奥の方にもやもやとした喪失感が渦巻いているのが不快で仕方がないのだ。

「暴君」と呼ぶのに相応しい程に、独裁政治的な働き方をする人だった。
けど、ジャイアン効果というのだろうか。時々垣間見せる優しさが印象的な人でもあった。
だから、人によって彼に対する評価は綺麗に○か×かにわかれた。

お互いTVゲームが好きで、よくそんな話で盛り上がったし、ラーメンをおごってくれた記憶も、なぜか今になって蘇ってきては、僕の感傷を誘った。

こんなことになるとは思っていなかった僕が彼と最後にした会話といえば、棚裏に落ちていたパック詰めのミカンが常軌を逸するほど腐敗していて、なのに何故かその中の一個だけがまるで何事もなかったかのようにキレイで、なんでこいつだけ無事やねんwwという、あまりにもしょうもないもので、それがなんとなく悔しくて、もっと色々話せることはあったなぁとか、考え出すとどんどん気持ちは落ち込んでいって。

つきつめてゆけば。盗み食い疑惑の浮上から彼の解雇までの経緯を全てリアルタイムで知っていた僕には、きっともっとできることがあったんじゃないかって、そんなことばかりを考えてしまうのだ。例えば彼に疑いがかかり、パートさん達が彼の動向を調査しだす前に彼にそれを伝える方法はあったんじゃないかとか。自ら彼に伝えるのが難しいのであれば、彼と同期の店長に話をして、なんとか止めるよう伝えてもらうことができたんじゃないかとか。それが例え根本の解決にはならないにしても、もっと違う結末があったんではないかと。僕にそれをする力が多分にあったんじゃないかと。

彼の解雇を口にする社長の目を、そんな後ろめたい気持ちで見続けるのは、まるで拷問のようで、辛かった。社長の話のあとで、全従業員に話をする店長の声が震えていたこと。僕の後ろに並んでいた青果部のパートさん達の鼻をすする音。会社を歩いていると、至るところで彼との思い出が蘇ってダメだった。

せめて何か一つ、区切りになるようなものがあればと思う。
たぶんこれは、ある日突然誰かが死んでしまう時のそれに近い喪失感なんだろうと思う。
今まで当たり前に続いていた日常から、ぷっつりと、なんの前触れもなく、近しい人がいなくなる感覚。


せめて「自業自得だよ」と言うパートさんの言葉がうまく噛み砕けない僕みたいな人間もいたんだということを、伝えることができたらいいのに。

新しい世界で。
彼が健全に生きていってくれることを願う。

| 日記 | 12:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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