もすけブログ

　一週間ぶりに会ったＭは変わらずに元気に見えて、少しホッとした。倒れた事なんて感じさせない素振りに、だけどほんのちょっと不安にもなった。苦しい素振りや頑張ってる部分を見せてくれないＭの事だから。また無理してんじゃないかなって、それだけが心配だった。

　Ｍは「腐女子が騒いでるＢＬ(ボーイズラブ)が理解できない」と言いつつ、時々そういう類の発言をしてくるから焦る。今日も俺がＭにしてあげた事に対して「じゃあ、この恩は体で返します♪」なんて言うから、変にドキドキした。広く使われているギャグというかボケだけれど、タイプの人に言われると柄にも無く本気にしてしまって恥ずかしかった。

　やっぱりまだちょっと。Ｍの事が好きな自分が居る。恋ではなくなっているけど、心ときめく瞬間が確かにある。顔や体もそうだけど、だけどそれ以外の……なんていうんだろう。存在そのものが愛おしくてたまらなくなる瞬間。

　数日前Ｍが倒れたときの事を、彼は「まばたきして次の瞬間救急車の中だった」と話していた。意識がなくなる前と、意識が回復した時の時間差を全く感じなかったそうだ。それを踏まえてＭは「死にたくねー」と言っていた。「まるで実感も無く死が訪れるなんて、そんな素敵な事は無いじゃないか」という事を言ったら「そんなの怖いっスよ～！生きて居たいです！！」なんて、やっぱり俺が持ち得ない感性を見せつけられて、（ああ、やっぱりＭはＭだなぁ）と思った。それが、俺が好きになったＭだから、なんだか嬉しかった。

　Ｍが生きていたいと思う世界に、果たして俺は居るのかな。居てくれたら嬉しいな。そしたら俺も少しだけ、生きていたいと思えるかもしれない。自分の為にじゃなくて、Ｍの為になら、そう思える気がした。

　おやすみなさい。