人はそれを慣れと呼ぶのだろうか、それとも成長と呼ぶのだろうか。
僕はと言えば、別段優れた人間じゃあないもんだから、
苦手な物だらけな訳で。
その全てを語り出したらキリが無いけれど、
今日はひとまずその内の一つ「蜘蛛」の話をしたいと思う。
僕は昔から、どちらかと言えばインドアな子供だった。
小学校に入学するまでは多少外で遊んだりはしたけれど。
スーパーファミコンを買い与えられてからは
とり付かれた様にコントローラーを握り画面とにらめっこをした。
ある日僕はゲームをしながら寝てしまって。
目覚めた時に右手に感触があったから
「あ~……コントローラーを握りながら寝てしまったのか。駄目だなぁ」
なんて思いつつ、少し手に力を込めた瞬間、それがモゾモゾと手の中で動くのだ。
(これはコントローラーじゃない!)
そう思うのが早いか、手の中の物を視界に入れるのが早いか。
「わあああああ!!!」
僕は絶叫とともに手をぶんぶんと振った。
その勢いで壁に叩きつけられたそれ――当時の僕にとっては巨大な蜘蛛は、
六本の足をキュッと丸めて動かなくなっていた。
その一件から僕は蜘蛛がまるで駄目になった。
さて。
以前も書いたと思うけれど、僕は今親元を離れて暮らしている。
アパートに引っ越してから数ヶ月。
一つわかった事があって。
蜘蛛が多い。
冬なのに、だ。
今はこれでも活動が抑え気味なのかもしれないけれど。
今も僕のすぐ横の壁を黒い影が横切っている。
蜘蛛なんて、触るどころか見るのも嫌だった僕なのに。
最近じゃあ、蜘蛛が現れても別段動じなくなった。
それどころか、小さい蜘蛛であれば手の上に乗せることも可能になった。
「トラウマ」
なんて風に思っていた「蜘蛛握り締め事件」。
だけど僕は今蜘蛛を自らの意志で手の平に乗せられる。
人はコレを慣れと呼ぶのだろうか。
それとも、成長と呼ぶのだろうか。
何れにせよ、夏場どうなるのかが少し心配だ。
| 日記 | 05:03 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑
バルサン!
蜘蛛は益虫って言うしなんともー。
触ったりするのは嫌だけどね!
| こー | 2010/02/01 07:48 | URL |